試乗調査-2

お世話になっているショップの試乗会で乗った2台目のロードバイクについてです。

 

スペシャライズド:S-WORKS AETHOS ETAP

スペシャライズドの全く新しいコンセプで作られたバイクで日本バイシクル オブ・ザ・イヤー2021を受賞されました。たぶん自分は使用しない高性能パーツてんこ盛りということで普段使用している105との比較の意味もあり試乗。

 

<評価にあたり考慮が必要な事項>

・ホイール重量は0.86倍とかなり軽くなっています

・タイヤは上り性能が高く、乗り心地のいいスペシャライズドの高性能タイヤが履かれています(各社の高性能タイヤを使用した経験の中で一番高く評価)

・Qファクターは幅広(普段はペダル込みで10mm狭い)だが、クランク長が165mm (普段は167.5)と短いので違和感は少なかった

 

<試乗した感想>

自転車を渡された瞬間に「軽っ」と思わず声が漏れました。そしてカーボンホイールはやはり漕ぎ出しが軽く、リムハイトも33mmと若干高いこともあり速度の維持も楽でした。またハンドルがカーボンで、かつ柔らかいタイヤなこともありかなり乗り心地がよかったです。一方、ディスクブレーキについては105とデュラクラスとの違いはわかりませんでした。

試乗車のコンポーネントはスラムのRED eTAP AXSが、48/35T×33/10Tの組み合わせでセットされていました。独特のシフトチェンジはすぐに慣れそうですが、反応がそんなに早いという感じはなくフロントに関しては機械式105とそう大きな差は感じませんでした。

 

<速度比較(GPS移動記録による1km区間値)>

・平坦区間:対現ロード比  1.10倍速

・上り勾配1%区間:対現ロード比  1.10倍速

・上り勾配3~4%区間:対現ロード比  1.19倍速

ホイール&タイヤも含めAETHOSなので割り引く必要はなく平坦で10%、上りだと20%くらい速くなりそうです。機材一つで早くなることは何度も体験してはいても、ここまで早くなる経験はありませんでした。

 

<カスタマイズを含めた想定価格を踏まえた評価>

AETHOSの場合はさすがにS-WORKSではなく、一つ下のPROでの検討になります。そうするとホイールとコンポーネント、フレームのカーボングレードが下がることになります。しかし完成車の段階でサイズにあったパーツ類がセットされているため、そのまま乗り出せて当面カスタマイズは必要ありません。

むしろPROだとシマノのUltegra Di2とスラムのForce eTAP AXSの設定だけということで、機械式から電動式に変えることに対する検討が必要となります。

正直、自分の使用環境においては、微々たるものではありますがイベントなど出先での有線電動式の不動リスクとシフト性能を天秤にかけると現状のDi2に魅力は感じません。一方、無線電動式のeTAPは不動リスクは低減されますが、パーツの入手性と高額化に対する懸念があります。しかし自分の場合は、ディスクブレーキの採用=ショップでのオーバーホール(1回/年)と考えているので、パーツの入手性についてはそれを見越した計画的な手配でカバーすることが出来そうです。

そうするとForce eTAP AXS仕様でのプライスタグ84.7万円(税込み)をどう評価するかになります。ホイールが税込み定価で19.8万円、Force eTAP AXSが29.3万円を、仮にそのまま除くと35.6万円。一方PARIS DISCから105のセットを除くと34.2万円。いやPARISの方は交換が必要な部品があるのでその分だけ割高になります。と数値だけならAETHOS PROを価格以上のむしろバーゲンプライスのバイクと正当化できますが単純に高い。

「すごくいいバイク」ですが自分がそこまでの「価格」のバイクを乗ることに対しての自問自答になります。